石川県能登地方を震源とする1日の地震は最大震度7を観測し、北海道から九州にかけての日本海沿岸の広い範囲に津波や家屋の損壊といった被害を及ぼし、多数の死傷者を出した。
被害が特に激しい石川県では、2日午後9時半現在で死者が55人に上った。県によると輪島市が24人と最多で、珠洲市が20人、七尾市で5人、穴水と能登の2町で各2人、羽咋市と志賀町でも各1人が確認された。多数のけが人がいて、うち少なくとも22人が重傷。約350カ所の避難所に約3万2千人が避難しているという。
その後、珠洲市長が死者が2人増えて22人になったことを明らかにした。
家屋の倒壊や火災も相次いだ。総務省消防庁などによると、石川県内で少なくとも建物倒壊が27件確認されている。建物の下敷きになった人も多数いる模様。観光名所でもある輪島市河井町の「輪島朝市」周辺では地震後の火災で200棟以上、計4千平方メートルが焼けたほか、七尾市、珠洲市、富山県高岡市などでも火災が発生した。石川県などの沿岸部では津波による被害も確認された。気象庁によると、輪島市では高さ1・2メートル以上を観測したとしている。
停電や断水の影響も出ている。北陸電力によると、2日午後8時現在で同県内の約3万3千戸で停電が続いており、高齢者施設などでは暖房やたんの吸引器が使えないなどの影響が出ている。県によると各地で断水も発生しており、珠洲、輪島両市内の病院では患者の転院も検討しているという。
国土交通省によると、2日午後4時現在のまとめで、北陸道などの高速道路で20区間、国道や県道で33区間が通行止めとなっている。道路が寸断されるなどの影響で救援物資の輸送が難しくなっているほか、能登空港(石川県)でも利用者ら約500人が足止めされて建物外の駐車場で一晩を過ごしたという。
富山県では2日午後6時現在で死者は確認されていないが、3人が重傷、34人が軽傷。福井県でも2日正午現在で福井市、あわら市、越前町で計6人が軽傷を負った。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル